ゲーム会社「カプコン」は、ファンビジネスにシフト
カプコンは、みなさんご存知のゲーム会社であるが、近年、キャラクター IPそのものが主役となってきた。つまり、今までのゲームが主役の時代から、ゲームは、媒体手段の一つであり、キャラクターにスポットライトを当てて活躍してもらうための一つの舞台である。と再定義し、メインスポットライトをゲームからキャラクターへと変化させているように思う。
また、ファンがキャラクターにグッズ購入という形で触れられるフレンドストアはキャラクターファンビジネスで大きな役割を担う。結局は、キャラクタービジネスはファンとの接点を保ち続ける意味でも、ビジネスの観点から見ても、物販がキーなのだろう。
これは、以前に記事で取り上げた、「キャラクタービジネスとは、究極的には流通業であり、小売業であり、物販である。」の記事が参考になるので読んで欲しい。
ちなみに、カプコンは、カプコンストアを2019年からオープンした。2019年11月22日(金)に、渋谷PARCO内に「CAPCOM STORE TOKYO(カプコンストアトーキョー)」をオープンし、2020年11月20日に心斎橋PARCO内に「CAPCOM STORE OSAKA」にグランドオープンさせている。
キャラクターファン向けに購買体験ができる、リアル店舗ビジネスである。
もちろんオンラインストアもありますよファンの皆様。
やはり、結局はクロスメディア戦略だ。
また、初期から手掛けているアミューズメント施設事業は縮小しつつも、強みとして継続しつつ、ファンとキャラクターの接点として活用していく構えだ。
また、カプコンの戦略として20年ほど前から、ゲームのファンを拡大するために、「ワンコンテンツ・マルチユース」という、映画や舞台、出版物、グッズなど幅広いジャンルへのIP展開を行うクロスメディア戦略を推進してきた。
例えば、「ストリートファイター」を1994年にハリウッドで映画化やアニメ化を推進した。その後にも続けて、「バイオハザード」「逆転裁判」「戦国バサラ」などを積極的に映画やアニメ化をして展開しているのだ。
妖怪ウォッチのヒットで注目されたレベルファイブのクロスメディア戦略はすでに当たり前のものとしてキャラクター業界に根付いていたしこれからも根付いていくのだろう。
ユーザーとのチャネルがゲームだけとなると、ファンとなる人が限定されてしまうが、映画やアニメを活用することで、ゲームユーザー以外の人たちに関しても接点を広げることができるのだ。
また、今は事前に、IP展開を意識してゲームを開発しているように見える。2020年に発表した「プラグマタ」(2023年発売予定の新作アクションアドベンチャー)は、映像ビジネスを意識した設定・世界観であることが読み取れるのだ。まさに、ストーリーメディア戦略だ。
また、俯瞰して「カプコン」を見てみると、1つのキャラクターIPを開発するために、5年以上をかけて映像ビジネスを育成しており、総合エンタメ企業に近づきつつある。
スクエニと同じく、ゲームBGMサウンドトラックなどを音楽ビジネスも推進したい考えで、アミューズメント施設やキャラクターショップなども今後は活用していくに違いない。ぜひ保守的にならずある意味でぶっ飛んだ最先端の戦略を目指して欲しいものだ。
カプコン営業利益が345億円(前期比51%増)8期連続の増益
ちなみに、近年は店頭販売からPC・スマホなど、複数のデバイスに向けたダウンロード販売へのシフトが加速。これが旧作の好調も招いている。2018年発売の旧作「モンスターハンターワールド:アイスボーン」などが収益を牽引したカプコンは、2021年3月期決算の営業利益が345億円(前期比51%増)と、8期連続の増益を記録した。
SEGAは「ソニック」ブランドから活路を見出す。
セガサミーホールディングスは2022年3月期、好調のゲーム系事業で3期連続の営業増益となりそうだ。その牽引役となっているのが傘下の名門ゲーム企業・セガである。
セガは12月10日、アメリカ・ロサンゼルスで開催されたゲームイベント内で、2022年冬に「ソニック」の新作ゲーム「ソニックフロンティア」発売を決定。
また、1988年発売の家庭用ゲーム機「メガドライブ」時代のIPを、映画・ゲームの側面から再び活性化させようとしており、その中心はソニックになる。
また、ソニックブランドは2022年にハリウッド2作目の映画が公開となり、ネットフリックスで新作アニメシリーズも配信が予定されるなど、メディアミックス戦略が加速している。
辛口に表現すると、この数十年の間、ソニックをある意味でほったらかしにして眠らせていたわけであり、このソニックを再び大舞台に上がらせてスター性を示すことができるのかが見ものである。幅広い層から支持されることができるのか。
キャラクター大戦乱時代へ
また、マイクロソフトやグーグル、アマゾン、ネットフリックスなど、さまざまなIT企業がゲームに興味を持っている。その中でIPの需要が非常に盛んになっているのだ。まさにキャラクター大戦乱時代への突入を意味するのかもしれない。
コーエーテクモは戦国無双、信長の野望というヒットした黄金IPの活用で過去最高益へ
2021年3月期の営業利益は243億円(前期比73%増)と過去最高を記録し、今2022年3月期の会社予想も同245億円と過去最高更新を予期している。また、「戦国無双」や「信長の野望」のゲームのデジタル販売の浸透により、シリーズ累計600万本を突破したアクションRPG「仁王」など、旧作の売り上げが高い水準を誇った。
また、コーエーテクモの好業績の背景としては、競合他社と同様の単純なソフト販売だけではなく、自社で育てた、もしくは、大きくヒットしたキャラクターIPを旬なうちから生かし、これまでにない収益の創出を実現していることによる影響が大きい。特に、旬なIPをコラボやタイアップをグローバルで展開することで、旬を伸ばし、大きく成長しているのだ。
「グループの企画・開発力を結集し、様々な分野に独創性溢れるエンタテインメント・コンテンツを提供するコーエーテクモ。経営方針「IPの創造と展開」のもと、新しい柱となるゲームを創り出し、グループのIPを用いた5つの展開、「プラットフォーム」「ジャンル」「コラボ」「タイアップ」「グローバル」を掲げて、幅広い層にコーエーテクモファンを広げていきます。(コーエーテクモ様HP「事業紹介」より)」
キャラクタービジネスに力を入れているのはゲーム会社だけじゃない!
日本国内メディア企業代表の一つ、サイバーエージェントは馬娘のヒットから、アニメ化、グッズ化、アイドルユニット結成と、キャラクターのクロスメディア戦略に力を入れたり、任天堂がユニバーサルスタジオジャパンとコラボして、ニンテンドーマリオワールドを作ったりと、エンタメ企業には、IPが年々重要な時代となった。他にも、Line、GMO、スポーツ団体など、キャラクターを独自に活用している会社は多い。
まさに、当サイトの掲げる、「キャラクター」に人権ならぬ、権利が与えられ、大切にされる時代になった。
キャラクターを大事にしていくことが新時代のキーワードであり、ある意味で、SDGsにも通じる考え方なのではないだろうか。
MSMも…
MSMノスタルジアワールドも、これから、よりキャラクターの故郷となれる場所を作っていきます!キャラクターファーストの世界であることがエンタメ業界の幸せにつながるのです。それを信じて共にキャラクターを愛でるのです!